Last modified: Jan 21, 2007
[ ->English Version ]
CASVE-1
- 自作竹製スポーツカイトの紹介 -
-
かつて(そして今も)日本人は竹と紙で凧を作った。私も小学校のころ幾つか作ったことがある。
竹(と紙)は今日でも日本では入手しやすい一般的な素材だ。
数ヶ月前、庭の手入れ用に竹棒を買いに行った際、手に持った感触は思いのほか軽い。
硬さも手頃だ。カイトに使えそうな気がした。
当初は漠然と紙のセイルを考えていたが、どうやら「タイベック」なる建築用の防水シートが
具合よさそうに思えた。バッタリ行き会った知人(大工)に話すと、丁度現場にあるから貰ってくると言って、次の日持ってきてくれた。
(デュポン社「タイベック」そのものではなかった)
思いがけなく材料が手に入り、実際にカイトを作り始めた。
主な特徴:
- ほぼフルサイズのカイト.
- 非常に安価な材料で製作.
- ロッドは竹製。1本数十円。
- セイル素材はタダでもらった建築用防水シート。
- 重さの割に性能はそこそこで、まあ許容範囲。
スペック:
- Wing Span : 244cm
- Height: 109cm
- Weight: およそ 500g (台所秤での参考値)
- Wind Range : 2m/s - 5? m/s
飛行性能:
- 直進性 - 非常に良好。
- スピード - 激遅。
- ターン / スピン - やや不良。が、コントロールは容易。
- トリック - たぶん良好。手持ちの中ではストール/アクセルが最も容易。
(手持ち - shadow phantom/scorpion/spin off/hawaiian)
他のトリックはできないので不明。
材料:
-
材料代は(手持ちや頂き物も活用したので)全部合わせも2,000円を越えない。
- 園芸用細竹(三分)。外径およそ 8〜10mm
- 160cm (80cm x2) x2 [ リーディングエッジ ]
- 80cm x2 [ ボトムスプレッダ ]
- 50cm x1 [ トップスプレッダ ]
- 105cm x1 [ スパイン ]
- セキスイ「ツユガード」防水シート 1m(width) x 2.6m [セイル]
- タイベック類似のシート。(およそ 80 g/m^2).
- アルミパイプ 12mm(外径) x 15cm [フェルール/Tコネクタ]
- ビニルチューブ
- 9mm(内径) x 30cm [コネクタ]
- 4mm(内径) x 10cm [ウィスカーホルダ]
- ポリ接着芯(接着インベル) 50mm(幅) x 100 cm [ノーズその他の補強]
- 200lb スペクトラの切れ端少々 [ブライドル]
- 3mm竹串(BBQ用) 25cm x 4 [ウィスカー]
- ポリ素材用両面テープ5mm幅 ( 15mm幅の製品を3分割しながら使用 )
- ショックコード,エッジノック,ゴムバンド, etc, ...
竹骨です。
設計図:
-
方針:
- だいぶ重そうなので、フルサイズにしてセイル面積はなるべく広く。
- 最近のカイトはラフトが深いらしい。深くしてみよう。
- ミシンは無いし、あっても使う技術が無い。縫った/接着した所は弱そうだ。
→ なるべく1枚セイルで。
- 貰ったシート(2.6m)から目一杯取れるサイズ。
製作上の注意:
-
俺も作ってみようかと考える酔狂な方へ。
- セイルに何か描くつもりなら、最初から真白な素材を探した方が良い。
実は製作期間の大半は製品名を擦り落とすのに費やされた。
- 竹節はヤスリや小刀で削って滑らかにした。
- セイルのリーディングエッジ部分は2.5cm幅で折返し、5mm幅で接着。中にロッドを通した。
三分の細竹や12mmアルミパイプにはギリギリの寸法であり、少々きつい。
- コネクタのストッパはロッドを通してから取りつけた。(当然ロッドを抜く時ははずす必要がある)
- セイルのボトムは5mmで折返し両面テープ接着。リーチラインを通さなかったので盛大に唸る。
- コネクタ類は意図的に短く作った。墜落時に外れてくれた方が壊れるより良い。
- ウィスカーは3mm竹串1本では弱い。2本抱き合わせてビニルテープで巻いた。
- ロッドの太さはスパイン〜トップスプレッダ〜ボトムスプレッダ〜リーディングエッジ上・下の順に配置。
上から下に、中心から外に向かって細くなるようにした。若干頭が重いようだ。
- ある程度スポーツカイトの経験がある方(最低8の字をキープできる人)が対象です。
これからカイトを始めたい人は、どうぞリンクページのショップでちゃんとしたのを。
ロッドもセイルも非常に弱いので、バンバン落としたり、強風で飛ばすと必ず壊れます。
破損〜墜落で他人を巻き込むことのないようお願いします。
ブライドル:
-
ブライドル調整の腕が無いので、以下の寸法はベストではない。
(最初の状態でほぼ許容できる性能だったので、ほとんどいじってない。)
かなりライト糸目よりのはずである。
個々の長さはコネクタからスイベルまでの実測(カイト上)サイズである。
- a) 3 ポイント (スタティック) ブライドル
- Upper leg: 60.0cm
- Outer leg: 70.5cm
- Inner leg: 73.0cm
- b) Andy Wardley さんの Dihedral Active Bridle
- Upper Leg : 59.0cm
- Outer Leg : 71.5cm
- Inner Leg : 73.0cm
- ピッチアクティベータ (Upper-Inner間)
-- 結索間隔: 22.0cm (端-端 27.0cm)
-- 結索位置(スイベルからの距離): 30.0cm
- クロスアクティベータ (Inner-Outer間)
-- 結索間隔: 6.0cm (端-端 11.0cm)
-- 結索位置: 9.0cm
ペイント:
-
調子にのって、油性マジックで武者絵を描いてみた。
川中島の図
逆光だと絵柄が映える
Awards:
-
第42回由利本荘市凧あげ大会 (H19.1.21) 由利本荘市観光協会会長賞
Special thanks to:
- 能登谷さん、シートありがとう。布施さん、凧絵の資料とても参考になりました。
by CASVEKITE